盲導犬共同訓練日誌②

早速②をお届けします。
説明が必要な部分は、( )でくくって追記しています。
訓練はまだ始まったばかり。
なにもかもが新しいことばかりで、覚えることもたくさん。
とにかく全てが必死でした。


■7月30日(水曜日)
まだ訓練が始まって、ナンシーに出会って、3日目だというのに、もうずっと前からナンシーと歩いているような気がします。

コットンを使っての遊び方を教えていただきましたが、思っていた以上にすごい迫力だったので、驚きました。
(コットンとは、短い綱のようなもので、引張りあって遊びます。)
あくまでも、人間が主導権をにぎるということが大切なのだと知りました。
狭い部屋などでは、どうなるのか予想つきません。

そして、いよいよ初めての、外の歩道での歩行。
ナンシーについていくことに必死で、道の様子などには、ほとんど気を配れませんでした。
少しずつ、地図を描いて歩けるようになりたいです。
でも、最後の方では、だいぶ慣れたせいか、力も抜いて歩くことができたと思います。

午後は、初めてのグルーミングをしました。
すごい量の毛が抜けて、驚きました。
これを毎日やるのは大変だけど、ナンシーのために頑張ります。
耳そうじと、歯磨きは、まだあまり自信がないので、再度教えていただきたいです。

障害物をよける練習は、とにかくナンシーから離れずについていくことができるかが課題だと思いました。
「よって」(左に寄らせること)のコマンドを、タイミングよくかけられるように、方向取りをしっかりしたいです。
後で、ナンシーなしで、その場所を歩いてみて、複雑に置かれたダンボールの間をぬって歩いてきたことがわかり、ナンシーをたのもしく感じました。

今のなやみとしては、ハーネスを差し出した時に、なかなか顔を入れてくれないことです。
私のやり方が下手なのか、顔を近づけても、後ずさりしてしまったりします。
あと、食事などの時に、足元にダウンさせる時、他の犬が気になってどんどん離れていってしまうこと。
そういう時に、私のところへ戻すやり方を知りたいです。


■7月31日(木曜日)
コンチネンタルヒールとブリティッシュヒールというものがあることを知りましたが、それらを使い分けてナンシーに伝えることを、もっと練習しようと思いました。
(comeで呼んだ時、直接左に付かせる方法と、ユーザーの後ろをぐるっとまわって左に付かせる方法です。)
ブリティッシュヒール(まわって付かせる方法)を伝えるのが、なかなか思うようにいかず難しいです。

駅周辺での歩行は、主に歩道のカーブ(段差)を見つけさせることをしました。
その動きや命令語の出し方にはだいぶ慣れたと思います。
「よって」も出来ていたようなので、よかったです。
ナンシーの微妙なハーネスの角度を、もっと察知できるよう気を配りたいと思います。

講義は、盲導犬の一生と、盲導犬の歴史でした。
盲導犬を使う者として、覚えておかなければならないと思いました。
日本では、今、盲導犬の数は1000頭だといいますが、これから先、盲導犬が珍しい存在ではなく、あたり前に世間に受け入れられるような時が来ることを信じています。
そのためにも、私もナンシーとともにいろいろなところへ出かけていきたいです。

午後は、ハーネスを少し長いものに代えてもらい、それで試しに歩いてみました。
ナンシーの動きが安定して腕に伝わってきました。
しっかり基本ポジションを保つことができれば、とても歩きやすいと思いました。

市役所での階段昇り降り。
昇りは、GOと足を上げるタイミングと、ペースを合わせてヒール(ユーザーの左にぴったり付かせること)をかけるというポイントさえつかめれば、大丈夫かなと思います。
下りは、ナンシーが回りきれずに、斜めで止まることが時々あるので、降り口をスムーズに足でさぐれるよう、もう少し慣れが必要だと思いました。
(踊場のある階段を降りる時の話です。)

昨日悩んでいたハーネスをつけることですが、だいぶ解決したと思います。
ナンシーはちゃんと頭を近づけてくれているのだから、私が躊躇せず、スルッと入れてあげればなんとかなりそうです。
まだ時々うまくいかないことはありますが。

夕食の後、部屋で珍しくナンシーが後追いをしてきました。
いつもは、さっさとダウンして寝てしまうのですが、しきりに後を追ってきて、なにかをうったえてるようだったので、まだ21時にはなってなかったけど、早めにワンツー(トイレ)に出してあげました。そしたら、すんなりワンをしてくれました。
あの後追いは、ナンシーのワンツーアピールだったのでしょうか。それとも、少し私のことを、意識してくれているのかな?
どちらにしても、かわいいナンシーでした。


====================
2014年現在
すでにナンシーと出会って数日で親バカになっていたようですね(笑)

ハーネスに自分から頭を入れてくれないのは、この時とても悩みました。
他の訓練仲間の犬たちは、ハーネスを前に出すだけでうれしそうに頭を突っ込んでくるというのに、
ナンシーは、私がハーネスを出して「カム」と呼んでもこちらへ来ないし、
ハーネスを近づけると後ずさりしてしまうのです。
ある時、いくらがんばってもハーネスに入ってきてくれず、電話で訓練士さんを呼んだこともありました。
私と歩くことがそんなに嫌なのかな・・・と本気で悩みましたよ。
でも、ナンシーの場合は、性格的なものなのか、
「わーい!ハーネスだ~~!」
というタイプではなく、
「あら、お仕事なのね。じゃあ私はここにいるからさっさとハーネス付けてくださいな。」
というタイプのようで、私がナンシーの顔の位置を確認して、ハーネスを手際よくはめてあげれば問題なく付けられることがわかりました。
そのスタイルは今だにそうです。
犬によって性格が様々なんだと実感した出来事でした。

ちなみに、この時一緒に訓練を受けていたのが、私を含めて4名。
犬たちも、それぞれ個性があり、食事の時などの訓練仲間との話はとても楽しかったです。
 

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comment

一つ一つ

今回の日誌も「なるほど」と思わせる内容ですね。
盲導犬として訓練を受け、完成した盲導犬であったとしても、
ユーザーと一体になってこその盲導犬なのですね。
そして、相手が生き物である以上、ユーザーとしての細かな気遣いや、
お世話は、本当に大事なことなのだと思わされました。
人が1人一人個性があるように、
盲導犬もその仕事(て引き)をこなす思いにも違いが出てくるのですね。
今の心情もつづられておられますが、
読み返されていくごとに、今の加奈子さんとナンシーのありようをしみじみ感じておられることでしょう。

自分は、共同訓練で

スタフィーとの歩きは自信を持ってなんの悩みもなくスタフィーとの共同訓練を楽しんでましたよ(笑)
その理由は盲導犬を希望の電話をしてからの事ですが、自分の家から訓練センターまでは第三京浜で車で30分ぐらいだったので、無理を言って毎月一回体験歩行って名目で歩かせて貰ってで♪自分は慣れる為だったし訓練士さんは自分の訓練してる犬がどこまで?訓練が出来てるのかなって目安にもなってお互いにとって良い事づくめでしたよ。自分は一緒に訓練してた時の人数は自分を含め3人で男が2人で女性が1人でしたが、途中でもう一人の男性が訓練士の判断で訓練を中止にして家に帰っちゃたっていう騒動が有りましたね(泣)ちなみに盲導犬の衛生学と行動学と歴史の講義はちょっと苦手で訓練中とはいえスタフィーと一緒に歩いてるのが楽しかったですけどね。
あ、其れは今でも変わらず楽しんであっちこっちで駆け回ってます。
話は全く変わりますが、自分が共同訓練を終わったのがクリスマスも近い08年12月20日でスタフィーは人生の中で最高のクリスマスプレゼントになりましたが、共同訓練を無事に終わって鈴木さんもナンシーが最高の誕生日プレゼントになったんじゃないかなって自分勝手な思いをしてます☆

共同訓練がおわって
2人っきりになる。
さあこれからが本当の始まり。
実践あるのみ、
うまくいかなくて当たり前。
失敗して当たり前。
とにかく焦らず、いつものマイペース。
そして今の加奈子さんとナンシーchanが仲良くいられる。
毎日悩んだ日々、無駄ではない。

どうやら良く似たタイプかな?

ハーネスに自分から頭を入れない!
 そんな子 ここにも居ます(笑い)

洋服だって一歩後ずさりですもの、
もしかしてこの子って、お仕事 嫌いなの?
 と 私も悩んだ事を思い出しました。
だって 盲導犬ユーザーさんのブログなどでは、
洋服やハーネス 見せたら、
喜んで自分から頭を突っ込んで来るって書いてあるんですものねぇ。

ほんと、人もいろいろ、犬もいろいろなんですね。

私も自分事のように、懐かしく読ませて頂ました。

StarHorse02さんへ

ちゃんと訓練された犬でも、ユーザーがしっかり管理できなければ、みるみるうちにただの犬になってしまいます。そのためにも、ユーザーへの訓練がとても大事なんですよね。
その子の能力を充分に発揮してあげられるかは、ユーザー自身にかかってます。果たしてナンシーの能力を充分引き出してあげられているのだろうか。まだまだすばらしい能力を彼女は持っていると思います。

スタフィーパパさんへ

毎月体験ができたのは大きいでしょうね。なんの不安もなく訓練を卒業できたなんてすごいです。私はナンシーと歩く前は、廊下を一往復したのが一回、センターの周りを一周歩いたのが一回だけでした。
そうそう、訓練終わってすぐ誕生日だったので、今までとは違う特別なものに感じました。

B AKKYさんへ

まさに訓練が終わってからが本当のスタートでした。いつもついていた訓練士さんにいつでも頼れない状況はとても不安でした。
でも、いろんな失敗を重ねて、今の私たちがいるんですよね。そういうことも今回思い出させてもらいました。

やよいさんへ

仲間がいてうれしいです!そうそう、服を着せる時も、一度は後ずさりを試みるんですよね。首輪はどこで出しても飛んできて自分から顔を入れるのだけど・・・
テキスト通りに行かないのが生き物。だからこそおもしろいのかもしれませんね。
 
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鈴木 加奈子
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