盲導犬共同訓練日誌⑧

訓練最後の週が始まりました。
橋本と厚木それぞれの職場までの往復を中心に訓練しました。


■8月18日(月曜日)
橋本のオフィスから駅まで、駅からオフィスまでを、自力で歩きました。
Nさんが、遠くで見ていてくれましたが、一度も声をかけられることなく、なんとか自力で往復できました。
時々、ナンシーが、脇道に入ろうとしたり、一度立ち寄ったお店に入ろうとしたりしましたが、車の音を聞いて、進路を戻すことができたのでよかったです。

駅周辺では、バス乗り場やタクシー乗り場の確認など。
バスは、ナンシーが時々違うバス停まで連れていくことがあるので、乗る前には、誰かに確認をするようにしたいです。
駅は、前回に比べ、人の数がかなりのものでしたが、ナンシーは慎重に誘導してくれ、方向を見失うことはありませんでした。

午後は、散歩コースを再び開拓。
左まわりで、ぐるっと一周するコースで、ほとんどが裏道なので、車もあまり通らず、のんびり散歩コースになりそうです。
ただ、コーナーを行きすぎたり、違う所で曲がったりしてしまうと、どこに行くかわからないので、距離感や、大通りの車の音など、頼りになるものを見つけていきたいです。

ナンシーの動きから、今ナンシーが何を考えているか、どういう気持ちなのかが、少しずつわかってきました。
時々わがままを言ったり、楽しく歩いている時の軽快さなど。おだてたりしながら、お互い気持ちよい歩行をしていきたいです。


■8月19日(火曜日)
オフィスから駅までまた歩きました。
歩き始めて間もなく、ナンシーがGOをかけてもすぐに止まってしまうようになり、これはワンツーサインだと思い、なんとなく広そうな所があったので、そこで袋をつけてさせてみたら、ツー(うんち)をしました。
こういう時に、させられる場所がないと困るなと思いました。

厚木の教室まで、電車を乗り継いで行く練習。
相模線は、ドアが押しボタン式なので、ナンシーもドアを発見しずらいのではと思いましたが、一度教えたら、ちゃんとドアまで誘導してくれました。
乗り継ぎの駅をいつもと変えてみましたが、地図が頭にないのと、工事をしていたりして、大変でした。
やはり慣れた駅を使おうということになりました。

教室での待機場所や、行き方などは、大丈夫そうです。
私が教えに行く時間は、子供の生徒さんも入り口などに多くいるので、それは気を付けたいと思います。

多目的トイレで、袋をつけてワンツーさせるということを、2度試しましたが、どちらもしませんでした。
草や土があるところでは、すぐにしてくれるのですが、このようなところは、ナンシーにとってはワンツーしずらいようです。
いずれ、こういうところでも、出来るようになってもらえると助かるのですが・・・

駅からオフィスまでの帰り道は、最初改札を出てからの、私のライト(右へ)の指示がうまくいかずに、エスカレーターを見つけられないというトラブルがありましたが、それ以降は、ナンシーの中で「オフィス」という、はっきりした目標物があるせいか、とても軽快な歩きで、短時間でオフィスに着くことができました。
歩道にはみ出して止まっている車を慎重によけたり、私が前に車がいることに気付かず、GOを出しても、車が行き過ぎるまで歩かなかったりと、安全に誘導してくれました。


■8月20日(水曜日)
家からオフィスまでを、完全単独で行くことになりました。
バスもスムーズ。降りてからも、大きな問題はなくスムーズに行くことができました。
ちょうど1時間かかりました。
行きはこうしてスムーズでしたが、問題は帰り・・・。
また途中で立ち止まりが続き、ツーがしたいというサインです。
オフィスを出る時にワンツーさせましたが、ワン(おしっこ)しか出ませんでした。
くせがついてもいけないと思い、今日はそのまま先へ進むことにしました。
ツーをしたくて意識がそれてしまったのか、途中で左に入りこんでしまったり、元来た道に戻ろうとしたり、なかなか先へ進めず、大きな交差点では、私の方向感覚もなくなってしまったりで、たくさんの人に聞きながら、なんとかたどりつくことができました。
20分で歩ける道を、40分かけて歩きました。
道に迷った時や、信号待ちをしている間など、ナンシーをダウン(ふせ)させて、少しでも便意をそらそうとしました。
予定の1本後のバスに乗り、家まではハイスピードで歩いていました。
家について、すぐにツーをさせました。
これらの事件で、かなり疲れと落胆がありましたが、Nさんは、ツーを家までがまんさせて歩けたことは、自信を持っていいと言ってくれたので、少しほっとしました。
今後、なんとか出発前にツーが出来るよう、袋をつけたりして試していきたいです。

動物病院は、オフィスから歩いて2~3分のところにあるので、とても便利です。
初めて行きましたが、先生も親身になってくれそうで、細かいボディチェックもしてくれるので、今後も安心です。
体重が少し増え気味なのと、耳がかなり汚れていて、少し通って治療が必要とのことでした。今のうちにしっかり治療してあげたいと思います。

踏み切りを渡る訓練は、踏み切りまでの距離や、音が鳴ってから遮断機が閉まるまでの時間などを知っておくことが重要なのだそうです。
出来るなら踏み切りは渡らないで行けるのがベストですが、どうしてもの時は、それらを思い出しながら渡りたいと思います。

前回開拓した、散歩コースを、母に後ろからついてきてもらいながら、歩いてみました。
途中、また道を戻ろうとしたり、道の真ん中を歩いてしまったりというところがあったようで、もう少し練習が必要そうです。
ナンシーは、何か目標物がはっきりしているところでは、快調に歩いてくれますが、そうでない場合は、ダラダラ歩きになってしまいます。
そういう時に、なんとか楽しく快調に歩けるようにしていきたいです。


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2014年現在
今まではただただ歩くことに必死でしたが、少しずつナンシーの気持ちも読み取れるようになってきました。
それと同時に、トイレのことなど、歩行以外のことにも気を配っていく必要があることを痛感し、
盲導犬と歩くということは、人間の子供と一緒に出掛ける感覚に近いのだとも感じました。
今となっては、トイレのリズムもわかっているので、歩くということを自然に楽しめるようになってます。
なにより、歩道に止まっている車をよけてくれたり、道や線路を渡るのもナンシーのおかげで安心して渡れるようになり、
歩くことへのストレスや恐怖感がまったくなくなりましたよ。

多目的トイレでワンツーさせることは、今の今まで一度も成功してません。
何度かチャレンジしましたが、ナンシーの頑固さに私が完全に根負けです。
でも、このワンツー場所へのこだわりは、それこそパピー時代、訓練犬時代からのものだったようで、
パピーの頃も、ペットシートでは、自分のワンが足につくからいやよ!とか、
訓練犬時代も、他の訓練犬がワンツーした後のぬれた場所ではしたくないわ!
みたいに、かなりこだわっていたようです。
その子によって性格やこだわりも様々。
ある部分は妥協し、ある部分は能力を伸ばしていく、
これが、盲導犬と暮らす楽しさ、おもしろさでもあるのかもしれませんね!
 

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次第に…

訓練も終盤にもなると、
次第にお互いの呼吸が合うようになってきていますね。
ナンシーさんと歩きながら、
細かいサインの交換と気づきの繰り返し。
なかなかに根気のいる作業ですね。
でも、その大変さを越え、
一つ一つの課題をクリアしていく様は、
本当に充実感を感じられたことでしょう。
以前このコメントで、お二人の関係の事故採点をお聞きしたとき、
90点とおっしゃっていましたね。
残り10点、何が課題だと思っておられますか?
昨日よりも今日、今日よりも明日と言うように、
加奈子さんとナンシーさんのペアが素晴らしいものとなりますように。

子供は子供なりに一生懸命に加奈子さんに寄り添い、まだまだ幼いし経験も少ない
でも加奈子さんの安全、安心を心から願っている今できることはすべてする
また加奈子さんも一生懸命寄り添ってくれるナンシーchanの安全を
なにより願っている。
そう感じる♪

StarHorse02さんへ

常にコミュニケーションを取りながら、二人で目的を達成するという充実感は、盲導犬歩行ならではの楽しさです。
残りの10点はなんでしょうね。私の中ではほぼ100点ですが、きっとまだナンシーの秘めた能力がありそうなので、その期待の10点かな!それを引き出せるかどうかは私次第ですね!

B AKKYさんへ

この頃は、まだまだお互い気遣う余裕もなかったと思いますが、すでにかけがえのない存在になっていたんですね。
この人、この犬なら大丈夫という信頼感がなければ、こうして安全に歩くのは難しいことですよね。
 
プロフィール
鈴木 加奈子
Kanako CD情報
鈴木加奈子トロンボーン・ソロアルバムII~Precious Seasons~ 新発売!
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