盲導犬の事件について思うこと

すでにテレビやネットで大きく取り上げられているので、ご存知の方も多いと思いますが、
7月28日に埼玉で、盲導犬が何者かに刺され、怪我を負うという事件がありました。
そのことは、事件が起きて間もなく、とあるメーリングリストで情報を聞いたのですが、
調べていくうちに、事件性があるとのことで、最近になって軽擦も動き出し、ニュースでも報道されるようになりました。
詳細を読んで、私は大きなショックと、なんと表現したら良いかわからない複雑な気持ちになりました。
こんな卑劣なことをする人がいるのかという衝撃と怒り、
痛かったであろう盲導犬のことを思うと、涙が出るほど心が痛みます。
そして、同じユーザーの立場として、オスカーのユーザーさんの気持ちを思うと、辛く悲しいです。
人間を心の底から信じ、純粋な気持ちで仕事をしている盲導犬に対して、
その犯人はどんな気持ちで刃物を向けたのか・・・
絶対に許すことのできないことです。

私の中で、報道が大きくなっていくごとにもやもやした部分があります。
報道の中で、「盲導犬は足やしっぽを踏まれても絶対に吠えないように訓練されている」という表現。
痛いことも我慢し、声を上げてはいけないという訓練がもしされていたとしたら、それは犬にとって酷な話です。
もしナンシーが、すごい勢いで足を踏まれたら、確実にキャンキャンと声を上げるでしょう。
実際は、無駄吠えをしないことを教えているだけで、どうしても無駄吠えが治らない子は、盲導犬とは別の道を選んでいます。
この「我慢」という言葉だけが一人歩きして、最終的に、
「盲導犬は我慢していてかわいそう」という意見が広まってしまうことは避けてほしい。
もしかしたら、オスカーも、何かしらリアクションは取っていたかもしれません。
実際私もナンシーと駅など歩いている時は、周囲の音にかき消されて自分が指示している声すら聞こえなくなることがあります。
また、誰かがナンシーを誘惑して、ナンシーが不振な動きをすることもたまにあります。
あくまで私の推測ですが、ユーザーさんがオスカーの異変に気付けなかったのも、それらの要因もあるのではと思うのです。

それと、刺された場所が、今のところ、電車内かエスカレーターという可能性が高いと書かれていましたが、
人が多くいる場所での犯行なら、誰かしら目撃していた人がいるのでは?ということ。
それに、コートに血が染み出しているほどの怪我なのに、通りかかった人は誰も気付かなかったのでしょうか・・・

現在軽擦は、「器物損壊」の容疑で犯人を捜していますが、
盲導犬へ怪我をさせたら「器物損壊」なんだということにも違和感を覚えると同時に、やりきれない気持ちです。
盲導犬をはじめ、補助犬は、ユーザーの体、そして心の一部です。
そのパートナーを傷つけられて、「器物損壊」なんて・・・

オスカー君は怪我も治り、今は元気にしているということを聞いて安心しました。
それでも、ユーザーさんの心に残った傷は消えません。
一日も早く犯人がつかまってほしいと同時に、決して二度とこのような事件が起こらないようにするためにも、
今回の事件は絶対にあやふやにしてはいけないことだと思います。

昨日もナンシーと出かけていると、電車やお店などで「かわいいね!」「おりこうだね!」などの暖かい声をたくさん聞きます。
また、この事件のことについてお話している人も多いです。
そうした暖かい関心を盲導犬へ寄せてくださることが、何よりもの安心と安全を与えてくれるのです。
私もナンシーへ細心の注意を払って外出するようにしたいです。
そして、もし見かけた盲導犬に何か異変を感じたら、ユーザーさんへすぐに教えてあげてください。

よく、「盲導犬へは暖かい無視をしてください」と言っています。
「暖かい無視」とは、お仕事中の盲導犬に、触ったり声をかけたり誘惑したりせず、
そっと見守ってほしいという意味が込められています。
ぜひみなさん、「暖かい無視」、そして「暖かい関心」を寄せていただけたらうれしいです。
 

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comment

一言。

今回の盲導犬の事件を知ったのは、ネット上で配信されるニュースからでした。
盲導犬と、そのユーザーさんとの関係について、
加奈子さんが書かれた訓練日誌を読んで、
絆を育む大変さと、その結果による強い信頼の構築。
人は犬を、犬は人を、
お互いに『信じあう』ことでアイメイトとなっていくことを知り、
盲導犬についての理解を深めたあとに聞いた自験。
それだけに、盲導犬に対し何故犯人は刃を向けねばならなかったのか。
盲導犬が身体に受けた傷もさることながら、
ユーザーさんが心に受けた傷はいかばかりか。
彼らの気持ちを考えれば、本当にやりきれない気持ちです。
信頼という言葉でつながれたユーザーと盲導犬。
それを思えば、盲導犬の追った傷以上に、
ユーザーさんの心はもっともっと痛んだことでしょう。
盲導犬は、ユーザーさんの神経が通った身体の一部。
大切な大切な相棒。
加奈子さんが書かれておられるように、
彼らの行動を「温かく無視」し、
彼らのことについて「温かい関心」を持つようにしていただきたい。
これは、街中を行動する全ての障害者に対しての接し方にも通じると思います。
正しい理解と、愛情を持った見守り。
皆で助け合う、皆で見守る。
それが実現できれば、
こうした自験も起こらないと思います。
追伸、及ばずながら私も盲導犬の正しい理解者を増やすために協力したいと思います。

地獄に必ず堕ちる!

絶対に許さない
言い訳など聞かない
地獄に堕ちろ!
全く信じられない?
こんなことなぜするんだ!
盲導犬はこんなことをされても
絶対吠えないってこと、盲導犬のことを詳しく知っている者の犯行だとも、変質者の犯行とも考えられる。
とにかく腹立たしく、何ともやり場のない気持ちでblogを読みました。
何よりワンちゃんは回復に向かっているとのことで本当によかったです。ユーザーさんはもとよりこれこら
どうやって2人の身を守り、安心安全な生活を送っていけばいいのか?
ごちゃごちゃした人混みは避けたいとか色々思っても事情もあるだろうし。
もう二度とこんなイヤな出来事が起きないことを願います。

その場にいたら

7月28日は、加奈子さんとナンシーちゃんの出逢った記念日でもあり、
昨年亡くなった母の誕生日でもある事もあり、このニュースを知った時は、物凄くショックが大きく、
もしも自分がその場に居合わせていたら、過剰防衛で自分自身も逮捕されたとしても、
犯人を取り押さえようとしたいと思ってしまいました。
被害に遭った盲導犬自身も物凄い痛かったと思うし、
大切なパートナーを傷付けられたユーザーさんの心の傷の深さも計り知れないと感じました。

加奈子さんの訓練日誌で感じた、絆の大切さや、
今年最初に作らせて頂いた曲は、盲導犬をテーマにした曲で、
ユーザーさんの想いの詰まった詩を何度も読みながら、曲を描いた事を思い出すと、
今回の事件はとても他人事には思えず、物凄く胸が痛みます。
補助犬法10年の頃に比べ、また知名度の低下や誤解も増えている気がするので、
何とか、盲導犬を始め補助犬法への正しい理解が得られ、
安心して暮らしやすい社会になって欲しいですね。

それから、疑問点の事ですが、大切なパートナーなのに、器物損壊扱いは納得出来ないですね。
出血多量で盲導犬の命が奪われた可能性も考えられるから、
動物愛護法の「生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資する」の
生命の尊重を脅かしたと拡大解釈出来るように法改正出来ないのだろうかと思ってしまいました。
あと、自分が血が着いたまま歩いている盲導犬を見かけたら、
失礼ですが、あなたの盲導犬に何かあったのですか?と声を掛ける気がします。
多くの人が見て見ぬ振りだったとしたらとても悲しいですね。
もう二度とこんな事件が起きないでと心から願っています。

自分が初めて

知ったのは昨日のニュースで初めて知りました。多分ですが?そのMLの会には自分も入ってはいますがMLには入ってないんですよね。この事件は絶対に許される問題じゃないので(激怒)警察には全力でこの犯人を逮捕して貰わないと。後、報道で盲導犬は乗り物に乗ってる時にとかに尻尾や足を踏まれても鳴かないって言ってた人は実はどっかの視覚障碍者の会のお偉いさんらしいですよ(怒)同じ視覚障害者なのに盲導犬を使ってない人の正直な心無い意見だと思います。盲導犬は当たり前の事ですが生き物なのに役所や警察からすると単なる視覚障害者が歩行をするための白杖と同じ道具としての扱いになっちゃうんですよ(泣)

StarHorse02さんへ

暖かいメッセージをありがとうございます。こうして盲導犬について理解してくださる片が増えて、またその人から別の人へと、正しい理解が広がっていってくれたらうれしいです。
ちなみに、アイメイトというのは、アイメイト協会出身の盲導犬にのみ使われる言い方であり、他協会の出身犬はナンシーも含め盲導犬と言われます。

B AKKYさんへ

今後このような事件が起きないためにも、今回の犯人にはしっかり罪をつぐなってほしいです。
盲導犬について正しい知識があるのなら、こんなひどいことは出来ないはず。周囲の人の見守りもとても大切になってくると思います。

ざくろの森さんへ

盲導犬へ好意的な目を向けてくださっている人が大多数であることは事実だと感じています。きっと暖かい見守りが増えれば誰もが安心して歩ける世の中になることでしょう。
この事件を決して無駄にしてはいけないと思います。器物損壊というのも多くの人が違和感を抱いているでしょう。改正されることを信じています。

スタフィーパパさんへ

誰かの間違った認識が広がってしまうことが一番恐ろしいですね。ユーザーの立場として、正しい情報を伝え続けていく必要がありますね。
スタフィーちゃんもそうでしょうが、痛い時は「痛い」としっかりアピールしてくれますよね。私も間違えてしっぽを挟んでしまった時にキャンキャンと言われ、心から謝りましたよ。

はじめまして

わたしも盲導犬ユーザーです。

書いておられるもやもや感すごくわかります。

ちょっと落ち込むことがあったんですが、このブログに出会えて一人じゃないって思えました。

メープルさんへ

はじめまして!きっとユーザーさん誰もが私たちと同じような気持ちでしょうね。
パートナーを一番に思う気持ちもユーザーさん皆一緒です。正しい情報を伝え続けていきましょう☆
 
プロフィール
鈴木 加奈子
Kanako CD情報
鈴木加奈子トロンボーン・ソロアルバムII~Precious Seasons~ 新発売!
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